file2~この時期は特に注意!食中毒~ – 愛知県中小企業共済協同組合
ドクター柴田のSOSを見逃すな!

file2~この時期は特に注意!食中毒~

暑くてジメジメ…食中毒が増える季節です

梅雨から夏にかけては、気温と湿度が上がり、細菌が一気に増えやすくなる季節です。愛知県でも、今年度から新たに「愛知県食中毒警戒期間」が設けられ、6月1日から警戒期間に入っています。食中毒というと、ノロウイルスなどの「ウイルス性」や、アニサキスなどの「寄生虫」を思い浮かべる方も多いかもしれません。しかし、これからの時期に特に増えるのは、「細菌性食中毒」です。代表的なものとしては、カンピロバクター、サルモネラ菌、O157などの病原性大腸菌、黄色ブドウ球菌、ウェルシュ菌、セレウス菌などがあります。

 

実は危険?身近な食べ物たち

では、次の中で食中毒の危険が高いものはどれでしょうか。

・一晩置いたカレー
・常温のおにぎり
・BBQのトング
・半生の鶏料理
・水筒の麦茶

実は、どれも注意が必要です。

例えば、鶏のたたきの様な「半生の鶏料理」や、バーベキューで加熱が不十分な鶏肉は、カンピロバクター食中毒の原因になります。見た目が少し赤い程度でも油断できません。
また、「常温のおにぎり」は、手についた黄色ブドウ球菌が増殖することがあります。
さらに、「BBQのトング」も、生肉と焼けた肉に同じトングを使うことで、菌が移ってしまうことがあります。
「一晩置いたカレー」やチャーハン、炊いたご飯などでは、ウェルシュ菌やセレウス菌といった熱に強い菌が問題になります。普通に温め直しただけでは防ぎきれないこともあり、長時間常温で放置しないことが大切です。
「水筒の麦茶」は、暑い場所に長時間置くと菌が増えやすく、パッキンや飲み口の洗い残しがあるとリスクが高まります。暑い時期は、水筒の中でも菌が増えることがあります。保冷機能付きの水筒や冷えたペットボトルを活用し、長時間の放置を避けることが大切です。その日のうちに飲み切ることもおすすめします。

 

“いつもの行動”が原因になることも

食中毒は、特別なミスではなく、日常のちょっとした油断から起こることが少なくありません。最近よく言われるのが、「スマホと食中毒」です。料理中に、レシピを見る、SNSを返す、電話に出る…。生肉を触った手でスマホを触り、そのまま調理に戻ることで、菌を広げてしまうことがあります。食事中にもスマホを触る方は多いと思います。メッセージを返したり、動画を見たり、写真を撮ったり…。スマホには、手についた菌や外出先で付着した汚れが意外と多く付いていると言われています。しかも、スマホは意外と消毒しません。知らないうちに、“見えない菌の運び役”になっている可能性もあります。

 

食中毒かな?と思ったら

食中毒の主な症状は、下痢、腹痛、吐き気、嘔吐、発熱などです。特に注意したいのは、下痢や嘔吐が続くことで脱水になってしまうことです。「もしかして食中毒かも…」と思った時に大切なのは、水分補給です。経口補水液などを、少量ずつでもこまめに摂るようにしてください。また、嘔吐がある場合には、仰向けではなく横向きで休むことも大切です。吐いたものが喉に詰まることを防ぐためです。

・下痢が何度も続く
・血便が出る
・高熱が続く
・嘔吐が強く、水分が取れない
・呼吸が苦しい
・意識がぼんやりする

このような症状がある場合には、早めに医療機関を受診してください。

シバタンのバサッ!と解決!!

食中毒予防の基本は、「付けない・増やさない・やっつける」の3つです。手洗い、しっかり加熱、早めの冷蔵保存に加え、料理中にスマホを触った後は手を洗う――そんな小さな習慣が予防につながります。食中毒は、“いつもの食卓”で起こるからこそ、この時期は「少し気をつける」が大切です。

profile

柴田玲(しばたれい) 福岡県出身 愛知県在住。
内科医(総合内科専門医)・元名古屋大学教授。
生活習慣病・循環器病、再生医療の最前線で豊富な経験を有する。現在は中部電力(株)健康管理室やセントラルクリニックグループにて、個人の診療から企業の健康戦略まで幅広く担い、医学の知見を社会へ実装する取り組みに力を注いでいる。
NHK「ためしてガッテン」をはじめテレビ出演多数。現在は、中京テレビ「キャッチ!」やNHKラジオ第1「夕刊ゴジらじ」の番組コメンテーター、FM愛知「柴田玲のGOOD YELL SUNDAY」のメインパーソナリティーを担当。著書に「痩せりゃいい、ってもんじゃない! - 脂肪の科学」(森永卓郎共著、文春新書)等。